講演内容 - 頭顔面部の各症状の鑑別と治療

投稿者: | 2018年2月16日

この回の講演内容は、頭顔面部各症状の鑑別と治療というテーマでお話と主要穴刺鍼の実技指導をさせていただきます。

頭顔面部の症状というのは、
・頭痛や頭重、頭がボーっとする、めまい、思考がまとまらない、健忘、円形脱毛症などの頭部の症状。
・のぼせ、赤ら顔、顔面痛、顔面麻痺、顔面部の痙攣などの顔面部の症状。
・眼精疲労、目の乾き、目のかすみ、目の痛み、眼瞼周囲の発赤や痒みなどの目の症状。
・耳鳴り、難聴、耳の痛み、閉塞感や圧迫感、耳周囲の発赤や痒みなどの耳の症状。
・口唇および口内の腫れや発赤や痛み、唇の色が悪いなど口唇の症状。などの頭部、顔面部および五官の症状を指します。
(鼻の症状の鑑別と治療法については呼吸器系の講演となります)

これらの症状は、中医学的にはほぼ同じ原因で出現することが多いため、虚実寒熱に基づいた鑑別を行うことにより、西洋医学的な病名や診断名に関わらず施術することが可能です。
その原因の多くは、六淫(多くは風寒、風熱、熱邪)、内傷では肝欝・肝火・肝陽上亢、痰湿、血オ、虚熱、気虚や血虚、腎精不足などにより起こります。
中医学では、症状の出る場所が違っていてもその原因が同じであれば全身治療法は同じという原則があります(これを異病同治といいます)。原因(病因)による症状の違いは、その特徴さえつかんでしまえば、鑑別はそれほど難しくはありません。今回の講演では、その鑑別点を重点的にお話しし、全身治療に加えて各局所に対する効果的な刺鍼法を、実技を交えて説明し、実技指導をさせていただきます。

主な局所取穴は、
・耳に対する刺鍼法は耳門、聴宮、聴会、翳風を使用します。耳門、聴宮、聴会は刺針時には患者様にお口を開けていただいて刺鍼します。各穴とも刺鍼方向 を間違えると効果は半減です。
・目に対する刺鍼法は、眼精疲労にはこれ一穴で絶大な効果を発揮する太陽、目の乾きには非常に効果が高い睛明を使用します。
太陽は刺鍼部位を間違えたり刺鍼の深さが浅いと効果がありません。睛明は針響がなくても潤いを高める効率的な使用法を説明します。
・また、頭顔面部、五官の症状に対してこれらの作用を強めてくれるのが風池です。
風池の刺針時には多くの方が規定の部位よりも下方に取穴する方が多いのですが、それでは効果はありません。風池の正確な取穴についても再度説明をしま す。
なお、この施術法は、美容施術の際にも共通して応用できます。顔面部の施針にて出血や内出血をおこしやすい場合、顔面部の赤みが増してしまう場合、たるみが改善しにくい場合など美容鍼灸の効果が上がりにくい場合に、顔面部局所の改善のためには知っているのと知らないのではその効果が全く違います。

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