講演内容 - 整形外科系症状の治療 4

投稿者: | 2018年2月16日

この回の講演内容は、整形外科系症状の治療4
中国式吸玉(吸角)の臨床応用、および、上肢・下肢の痛み、しびれ、違和感や知覚異常などに対する中国式治療法をご紹介します。

中国では抜罐とも言いますが、活血、理気、去風、清熱の作用のある吸玉(吸角)療法は、特に経筋・経絡・関節の症状に非常に有効なことが多いです。
状態によっては鍼施術よりも効果が高いこともあるし、鍼施術よりも吸玉施術を優先した方がよいこともあるのです。
一見手間がかかりそうな吸玉施術でも、コツさえつかんでしまえば非常に簡単で、単独のメニューに掲げることもできるし、施術の幅を広げることができます。

その他の刺鍼法は、秩辺、環跳、極泉穴への刺鍼法をご紹介し、刺鍼練習を行います。

秩辺は腰痛を始め、下肢後側の痛みやしびれ、張りや違和感、運動障害、知覚の異常などの改善に、環跳は中国式の環跳ですが、腰痛や股関節の症状をはじめ、下肢外側の痛みやしびれ、りや違和感、運動障害、知覚の異常などの改善に非常に効果が高いのです。
下肢後側の諸症状に対しては、足太陽経に何本も刺鍼するよりも秩辺一穴で改善できることが多く、下肢外側の諸症状に対しては、足少陽経に沿って何本も刺鍼するよりも中国式環跳一穴で改善できることが多いのです。

極泉は、上肢内側および手部のの痛みやしびれ、張りや違和感、運動障害、知覚の異常などに抜群の効果を発揮し、これらの症状に対しては、何本も鍼を打つよりも極泉一穴で改善できることが多いのです。

いずれも鍼の響きは強いのですが効果は抜群です。ただ刺鍼の方向や角度を微妙に調整しながら刺鍼することと、刺鍼により針先に渋り感を感じた時の鍼の操作方法をしっかりと行わないと響きを得ることができません。ただ単に刺鍼しても効果が得られにくいということです。

今回の刺鍼練習は以上ですが、3寸針を使いこなす、疏通経絡という治療方針の確認、そしてこれらの刺鍼法に必要な鍼の操作法を具体的に指導させていただきます。
これらは醒脳開竅法の応用刺鍼法ですので慣れないと非常に難しいのですが、慣れてしまえばさほど難しいこともなく、臨床成績を上げることが十分に可能です。これらの症状にお悩みの患者様から笑顔を頂くことができます。
また、中医鍼灸を実践・学習するにあたり、お薦めの書籍も紹介させていただきます。

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