産後におこる下腹部痛(産後腹痛)

☆ 産後におこる下腹部痛(産後腹痛)

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本症は、分娩後におこる下腹部痛を指し、中医では産後腹痛という。産後に起こる諸症状は、血虚によるも
のもあるが、実証としておこるものもある。その状態や、症状の特徴から判断する必要がある。

1.寒凝胞宮による産後腹痛
:病因病機
 産後に身体を冷やす、風寒の邪を感受したり、冷たいもののを多飲・多食するなどのために寒邪が胞宮に
 侵入し、気機を阻滞させるためにおこる実寒証である。
:鑑別点
 下腹部が冷えて痛み(絞痛などで拒按)温めると痛みは緩和する。悪露が少ない。
:随伴症状
 四肢や腰の冷え、寒がる、面色蒼白など。
:舌脈 舌質-淡暗、苔-白滑。脈-沈遅、沈緊など。
:弁証-寒凝胞宮。 :治法-温経散寒、調経。
:取穴例
 帰来(灸頭鍼(瀉法))、気海(灸頭鍼(瀉法))-温経散寒。次リョウ(瀉法)-駆邪散滞。

2.血オによる産後腹痛
:病因病機
 悪露の停滞、手術、外傷、あるいは肝気欝結、寒邪や熱邪、湿邪などの停滞からの波及などが原因となっ
 てオ血が生じ、胞宮に停滞するために腹痛がおこる。
:鑑別点
 下腹部の強い痛み(刺痛あるいは絞痛)、腹部圧痛(拒按)を伴い、血塊が多く、血塊が排出されると痛
 みは軽減する。
:随伴症状
 悪露が少なく紫暗粘稠で血塊が混じる、甚だしいときは下腹部に腫塊を形成する。
:舌脈 舌質-紫暗、オ斑、オ点など。脈-渋など。または舌脈正常。
:弁証-血オ。 :治法-活血通絡、止痛。
:取穴例
 三陰交(瀉法)、太衝(瀉法)-疏肝活血。気海(瀉法)-行気散滞。

3.血虚による産後腹痛
:病因病機
 分娩時の出血過多、悪露の長期持続、多産による生血の消耗、あるいは元来の脾虚による生血不足や久病
 などによって血海が空虚となり、胞宮が栄養されないためにおこる。
:鑑別点
 分娩後に下腹部の持続的な隠痛が続き、下腹部は柔らかく喜按。
:随伴症状
 淡色で少量の悪露、めまい、心悸、腰や下腹部の下墜感、面色萎黄または淡白で不華、口唇や爪が淡白、
 不眠、めまい、目のかすみ、四肢のシビレ感など。
:舌脈 舌質-淡紅。脈-細弱など。
:弁証-血虚。 :治法-養血止痛。
:取穴例
 脾兪(補法)、血海(補法)-健脾生血。気海(補法)-培補元気。