流産後の無月経(流産後経閉)

投稿者: | 2017年10月18日

☆ 流産後の無月経(流産後経閉)

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本症は、流産あるいは人工中絶後に無月経となるもので、中医では流産後経閉という。

1.血オによる流産後の無月経
:病因病機
 悪露の停滞、手術、外傷あるいは肝気欝結、寒邪や熱邪、湿邪などの停滞からの波及などが原因となって
 オ血が生じ、胞宮に停滞するために経閉となる。
:鑑別点
 流産後の無月経。下腹部の強い痛み(刺痛あるいは絞痛)、腹部圧痛(拒按)を伴う。
:随伴症状
 下腹部の強い痛み(刺痛あるいは絞痛)を伴い拒按)甚だしいときは下腹部に腫塊を形成するなど。
:舌脈 舌質-紫暗、オ斑、オ点など。脈-渋など。または舌脈正常。
:弁証-血オ。 :治法-活血化オ、調経。
:取穴例
 太衝(瀉法)、三陰交(瀉法)-疏肝活血。関元(瀉法)-通経行血。次リョウ(瀉法)-駆邪散滞。

2.気滞による流産後の無月経
:病因病機
 元来の肝気欝結の傾向、あるいは流産時の精神的緊張やショック、精神的な抑欝などによって気滞がおこ
 り、その影響で胞宮の気機が阻滞するために経閉となる。
:鑑別点
 流産後の無月経。周期的な下腹部の脹りや脹痛をともなう。
:随伴症状
 イライラ感、精神抑欝感、易怒、ため息が多い、胸脇部や少腹部、乳房の脹満感や脹痛など。
:舌脈 舌質-紅、苔-白薄。脈-弦。
:弁証-気滞。 :治法-疏肝理気、活血調経。
:取穴例
 太衝(瀉法)、間使(瀉法)-疏肝解欝、理気散滞。気海(瀉法)-行気散滞。
 次リョウ(瀉法)-駆邪散滞。

3.気血両虚による流産後の無月経
:病因病機
 飲食不節、疲労・過労、思慮過度、久病などによって気虚となり、同時に慢性病による体力の消耗、慢性
 的な出血、多産による精血の消耗などのために血虚となり、気血両虚となって胞宮を栄養することができ
 なくなるために経閉となる。
:鑑別点
 流産後の無月経。腹部に力がなく脹りや痛みを伴わない。
:随伴症状
 めまい、面色淡白または萎黄、口唇や爪の色が淡白、不眠、心悸、精神疲労、倦怠感、無力感、息切れ、
 懶言、自汗など。
:舌脈 舌質-淡。脈-細弱など。
:弁証-気血両虚。 :治法-気血双補、調補衝任。
:取穴例
 脾兪(補法)、関元(補法)-補益脾腎。血海(補法)-健脾生血、子宮(補法)-調補衝任。