☆ 口内炎（口舌生瘡）
このページは、鍼灸師、医師向けの鍼灸治療法を紹介するページです。
口内炎でお悩みの方は、はりきゅうマッサージ すこやかな森 で治療をお受けいただけます。
本症は、口腔内の粘膜や舌面におこる炎症の総称であり、灰白色～紅色の色斑の形成、痛みを感じたり、
悪化すると出血したり潰瘍を形成するものを指す。中医では口舌生瘡や口瘡などと呼ぶ。
1.胃熱による口内炎
：病因病機
辛いもの、油濃いものや味の濃いものの過食や、アルコールの常飲などによって胃の気機が阻滞して化熱
する、あるいは外感や内傷の熱邪が胃に停滞するために胃熱が生じ、胃熱が口舌に上炎するために口内炎
となる。
：鑑別点
口内、唇、舌、歯槽などに鮮紅色の潰瘍が生じ、痛みが強い。
：随伴症状
歯齦出血、胃カン部の灼熱感や不快感、口渇少飲（冷飲を好む）、口臭、呑酸、口苦、便秘、小便黄赤な
ど。
：舌脈 舌質－紅、舌苔－黄。脈－数、滑数など。
：弁証－胃熱。 ：治法－清泄胃熱。
：取穴例
内庭（瀉法）－清泄胃熱。足三里（瀉法）、中カン（瀉法）－通降胃気。頬車（瀉法）－駆邪散滞。
2.陰虚火旺による口内炎
：病因病機
精血不足、津液虚損、熱病による傷陰、久病、房事過多、五志過極、飲酒過度などによって腎陰が消耗し
たために内熱が生じて口舌に上炎しするために口内炎がおこる。
：鑑別点
口内、唇、舌、歯槽などに潰瘍面が黄白色で、潰瘍周囲が淡紅色の潰瘍が生じ、夜間に痛みが増強する。
：随伴症状
のぼせ、顔面紅潮、心煩、易怒、口乾、不眠、多夢、口苦、便秘、小便黄赤、遺精、夢交、消痩、耳鳴り、
腰膝酸軟など。
：舌脈 舌質－紅絳。舌苔－黄。脈－細数。
：弁証－陰虚火旺。 ：治法－滋陰降火。
：取穴例
復溜（先瀉後補）－滋陰降火。太谿（補法）、照海（補法）－滋陰補腎。頬車（瀉法）－駆邪散滞。
3.中気下陥による口内炎
：病因病機
肉体疲労、精神疲労、慢性の下痢、分娩過多、産後の消耗などによって元気が損耗し、そのために気虚下
陥となると口舌を栄養したり防御することができないために口内炎が生じる。
：鑑別点
口内、唇、舌、歯槽などに淡紅色の潰瘍が生じるが、痛みは軽度。肉体疲労時に悪化する。
：随伴症状
無力感、脱力感、精神疲労、息切れ、食欲不振、大便溏薄、カン腹下墜感、内臓下垂、身体消痩、めまい、
面色萎黄など。
：舌脈 舌質－淡、胖、歯痕など。脈－緩、虚など
：弁証－中気下陥。 ：治法－補中益気。
：取穴例
足三里（補法）、中カン（補法）－補中益気。
関元（補法または灸頭鍼（補法））、脾兪（補法）－温補脾腎。