☆ のどの痒み（喉痒）
このページは、鍼灸師、医師向けの鍼灸治療法を紹介するページです。
この症状でお悩みの方は、はりきゅうマッサージ すこやかな森 で治療をお受けいただけます。
本症は、咽喉部に痒みを感じる状態を指し、中医では喉痒と呼ぶ。喉痒は、咳嗽、咽乾、嗄声、鼻乾などで
も診られるので必要に応じてそれぞれの項も参照されたい。
1.風寒束肺によるのどの痒み
：病因病機
風寒の邪が肺に侵襲し、肺気不降となるために喉痒がおこる。
：鑑別点
咽喉の掻痒。
：随伴症状
悪寒が強く発熱が軽い、頭痛、鼻閉、無汗、痰や鼻水は透明で水様、口渇はないなど。
：舌脈 舌苔－白薄。脈－浮緊。
：弁証－風寒束肺。 ：治法－去風散寒、粛肺理気。
：取穴例
風池（瀉法）－去風。外関（瀉法または灸頭鍼（瀉法））－散寒解表。大椎（温法）－宣陽解表。
列欠（瀉法）－粛肺理気
2.風熱犯肺によるのどの痒み
：病因病機
風寒の邪気を感受して化熱する、あるいは風熱の邪気を感受して肺を犯し、その影響で肺気不降となるた
めに喉痒がおこる。
：鑑別点
咽喉の掻痒。
：随伴症状
発熱、悪風、頭痛、無汗または少汗、軽度の口渇、黄色く粘稠な痰や鼻水、咽喉の発赤と疼痛など。
：舌脈 舌質－紅、舌苔－薄黄。脈－浮数。
：弁証－風熱犯肺。 ：治法－去風清熱、粛肺理気。
：取穴例
風池(瀉法)－去風。外関(瀉法）、大椎（瀉法）－清熱解表。少商（瀉法）－清宣肺気。
3.燥熱傷肺によるのどの痒み
：病因病機
熱盛傷津、あるいは外界の燥邪が肺に侵襲して肺の津液を損傷し、それが長期化すると燥熱となり、その
影響で肺気不降となるために喉痒となる。
：鑑別点
咽喉の掻痒。
：随伴症状
乾咳、鼻や口、のどの乾燥、痰は少量粘稠で切れにくいあるいは無痰、口渇多飲、身熱、軽度の悪風や悪
寒、胸痛、喀血など。
：舌脈 舌尖－紅で乾燥、舌苔－黄。脈－数または浮数。
：弁証－燥熱傷肺。 ：治法－清肺潤燥。
：取穴例
魚際（瀉法）－清泄肺熱。内庭（瀉法）、復溜（補法）、肺兪（補法）－清肺潤燥。
天突（瀉法）－清利咽喉。
4.肺陰虚によるのどの痒み
：病因病機
長期にわたる咳嗽、熱病や虚熱、実熱などの影響によって陰液を損傷したために肺の滋養ができなくなり、
その影響で咽喉も滋養することができなくなるために喉痒となる。
：鑑別点
咽喉の軽度の掻痒。
：随伴症状
乾咳、粘稠で少量の痰、口乾、嗄声、消痩、痰に血が混じることもある、午後潮熱、頬部紅潮、盗汗など。
：舌脈 舌質－紅、舌苔－少または無苔。脈－細数。
：弁証－肺陰虚。 ：治法－滋補肺陰。
：取穴例
復溜（先瀉後補）－滋陰降火。肺兪（補法）、腎兪（補法）－補益肺腎。照海（補法）－滋陰補腎。
天突（補法）－調補咽喉。