月経期の目の痛み(経行目痛)

投稿者: | 2017年10月7日

☆ 月経期の目の痛み(経行目痛)

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この症状でお悩みの方は、はりきゅうマッサージ すこやかな森 で治療をお受けいただけます。

本症は、月経期に目の痛みや異物感、充血などがおこり、甚だしくなると目を開けることもできなくなり、
月経が終了するとこれらの症状も消失するものを指し、中医では経行目痛という。

1.風熱による経行目痛
:病因病機
 元来、肝に積熱のある人、あるいは熱傷体質や陽気の上亢のある人が風邪を感受し、風熱となって清竅に
 上攻し、目系に停滞したためにおこる。
:鑑別点
 目の熱感、充血、痛み、異物感を感じ、甚だしくなると目が開けられない。熱涙、羞明感を伴う。
:随伴症状
 発熱、悪風、頭痛、無汗または少汗、軽度の口渇、黄色く粘稠な痰や鼻水、咽喉の発赤と疼痛など。
:舌脈 舌質-紅、舌苔-黄。脈-浮数。
:弁証-風熱証。 :治法-去風清熱。
:取穴例
 風池(瀉法)-去風。外関(瀉法)、大椎(瀉法)-清熱解表。太陽(瀉法)-清熱明目。

2.肝血虚による経行目痛
:病因病機
 脾虚による生血不足、失血過多、久病、多産による精血の消耗などによって営血が不足して肝血虚となり、
 そのために清竅を栄養することができないために目に症状が出現する。
:鑑別点
 眼球の隠痛。
:随伴症状
 経遅、経量少なく淡紅で清稀、目の乾きやかすみ、四肢の引きつり、爪が薄くもろい、胸脇部隠痛、めま
 い、面色が蒼白、不眠、口唇が淡白など。
:舌脈 舌質-淡。脈-細、沈細など。
:弁証-肝血虚。 :治法-補益肝血。
:取穴例
 血海(補法)、肝兪(補法)-補益肝血。太陽(補法)-明目。

3.血虚受風による経行目痛
:病因病機
 平素から血虚の体質により、あるいは月経過多や分娩時の出血過多などのために血虚となり、風邪が虚に
 乗じて侵入して目系に停滞するためにおこる。
:鑑別点
 肝血虚による痛みよりも強い眼球や目の周囲のだるい痛み。片頭痛をともなうこともある。
:随伴症状
 経遅、経量少なく淡紅で清稀、下腹部の隠痛、面色萎黄または淡白で不華、口唇や爪が淡白、不眠、めま
 い、目のかすみ、四肢のシビレ感など。
:舌脈 舌質-淡。脈-細、弦細など。
:弁証-血虚受風。 :治法-去風養血。
:取穴例
 風池(瀉法)-去風。肝兪(補法)、膈兪(補法)-補益肝血。太陽(補法)-明目。